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偽の売国奴のmhのレビュー・感想・評価

偽の売国奴(1962年製作の映画)
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WW2の諜報戦が題材のスパイもの。
スウェーデン人の商社マン(石油商)が連合軍のブラックリストに挙げられる。それに目をつけたイギリスの諜報員が接触してくる。
ブラックリストから外してもらうため協力を強いられる。ナチスドイツにスパイとして潜り込むことになる。
友人家族をあざむいて孤独になっていくも、同じように諜報戦に参加してる人妻と良い仲に。
このあたりのことをナレーションベースで、どんどん展開していく。友人宅のヒトラーユーゲントに通う息子さんがいい感じの悪役っぷり。反乱分子を見つければもらえるメダルが欲しいとか純粋なだけに怖いモチベーション。
疑いの目を向けながら、メガネを拭く仕草とか、ほんとに子どもか?
ヒムラーやシュペーアも名前だけ登場する。
「あるとき急に彼らを兄弟だと思うときがくる」のプロットが良かった。
ポーランド人労働者の見せしめ処刑がそれで、以降は率先して、諜報活動に勤しむことになる。
追跡ドックを撹乱するための「血液とコカインを混ぜたもの」ははじめてお目にかかった。
胸のいちのワッペンを剥がしたあとで、ユダヤ人を示したりするのとかも、やっぱジョージシートンはうまいね。
戦時下のドイツの町や駅の様子もリアリティあったし、クライマックスの自転車のくだりも最高だった。
TSUTAYAの良品発掘レーベルになってるけど、ぜんぜん見られてないもんなんだな。レンタルDVD文化の衰退が感じられて寂しいね。
比べたら「36時間」のほうが好きだけど、これもそうとう面白かった。
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