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選挙のKAJI7のレビュー・感想・評価

選挙(2006年製作の映画)
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先日観た映画でドキュメンタリーの真髄に触れた気がするのでこちらも鑑賞してみました!とある普通の証券マンが、ひょんなことから川崎市議会議員として選挙に出馬した話を追ったドキュメンタリー作品、『選挙』(2006)を鑑賞しました!

この作品のスタイルはドキュメンタリーの中でも特に編集やナレーションを介さない「観察映画」という究極の記録映画であり、実際カメラで撮った動画を並べただけの様な素朴さがありました。それなのにここまで楽しめたのは、問題を提起してくる題材選びの妙というものでしょう。

こんな所で政治について言及するのも些かナンセンスな気はしますが、せっかくなので選挙権を貰ったばかりの若造の意向を吐露したいと思います。

あくまで個人的な意見ですが、本来政治とはビジネスの対義語であるべきものです。政治だけが、横暴で不定形なビジネスという流動体を収めることが出来る唯一の水槽であり、同時にその品質を左右できる言わば整水器として機能出来るものです。しかしながら、昨今の政治体系では、どこか政治それ自体がビジネスの一部に取り込まれたかのような胡散臭さを感じざるを得ません。プロモーション志向のマニフェストや、あまりにトリビアで興味も湧かないスキャンダルを囃し立てて、本質に目を向けることを避けているのでは?つまり、もう水槽など存在せず、1度溢れかえった液体はただただ湧き出続けるというカオスが蔓延していて収拾が着いていないんだな、とまだ10代の自分の目からもわかる程…。などと、つらつらと私見ばかり述べてもさほど意味も無いですが…笑

この映画、『選挙』で描かれるのもその様相の1つ。ビジネスチャンスとして出馬という選択をするこの方の行動とその結果には非常に考えさせられました。政治について不祥事続きの御時世だからこそ、このような作品に目を向けて見るのもいかがでしょうか…?
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