上海十月

敵こそ、我が友 〜戦犯クラウスバルビーの3つの人生〜の上海十月のレビュー・感想・評価

4.0
ナチスの残党が南米に隠れて、南米の政権に影響を与えている事は、有名であったが、ドキュメントでここまで政権内部に入り込んでいたとは知らなかった。ナチス時代、フランス占領期、南米で夢見た第四帝国創設。ヒトラーを信仰した男の悲劇に見える。その男の信仰に巻き込まれた被害者は、たまったもんじゃない。南米でヒトラーをバカにする元ナチ残党に「私の前で統総の悪口を言うな!」と言って、元残党が笑いながら「ハイル・ヒトラー」とバルビーに向かってやる話は、極めて映画的だ。「博士の異常な愛情」のピーター・セラーズを彷彿させる。そして、この作品は、バルビー逮捕、終身刑で終了するが、弁護を担当したベトナム系弁護士が問いかける偽善とは?に、私たちは、明快な回答する術を持っていないことを思い知らされます。
上海十月

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