ろく

劇場版 虫皇帝のろくのレビュー・感想・評価

劇場版 虫皇帝(2009年製作の映画)
3.9
昆虫と毒虫をアクリルの檻の中に入れて殺し合いさせるという動物愛護の精神からなんてことをするんだ映画だけど、調べてみたら昆虫は動物愛護とは関係ないらしい(だからっていいってものでもないけど)。いや観てみるともはや大怪獣地上に現るである。

全部で24戦。世界中から集められた昆虫、毒虫が体液を迸りながら戦い、そして殺し合う。なんてものを見せるのよ、これ。昆虫軍はカブトムシ、クワガタをメインとしてカマキリ、タガメなど。毒虫軍はムカデ、毒蜘蛛、さらには蠍ととんでもないラインナップ。その戦いをアップで見るというなんともとんでもない映画。解説はホスト小説家の新堂冬樹。それ以外にグラビアアイドルも応援団で最初でたがその後一切姿を見せない。うん、虫以外は何も出ていない映画だ。

と、これ面白いのと思うじゃん。これがとんでもなく面白いの。蠍はしっぽの棘を敵に差し込み、ムカデは体を絡めて頭を牙でかぶりつく。毒蜘蛛は毒の牙を柔らかいところに差し込む(また蜘蛛は動きは速いんだ)。一方昆虫はやっぱりクワガタ。大きな鍬で敵を切断。カブトムシは角で串刺し、タガメは頭からストローを差し込み敵の体液を吸う。いやこれエイリアンですよ、ギーガーですよ、ヴェノムですよ。クワイエットプレイスですよ。これがリアルだからとんでもない。

ベストとしてはクワガタの強さね。敵を持ちあげて一気に切断。ぶしゅーと出る体液。あああああ。もう見てられないよ。さらに毒虫だと蠍の強さ。これまた大きなハサミで敵を切断。頭なんか落ちちゃうから。更にはお尻の針で刺す。すると敵の体がマヒするのよ。ああ片脚、動いてないし。

最後は日本のカブトムシと大蠍の闘い。日本のカブトムシは蠍に角を折られ、足も切られ、それでも戦う。これぞ大和魂だよと思いましたよ。観ていて「頑張れカブトムシ!」応援にも力が入る(結果負けてしまうけどカブトムシの特攻精神にアツくらないものはいないはずだ)。

カマキリはほぼ全敗。わかったことはカマキリの弱さね。たしかに体柔らかそうだもんね。捕まるともう終わり。ああ、ちょっとかわいそうだよ。

24戦もあるんで戦いもサクサク進む。しかし、これ観たらホラー映画なんかかわいいものですよ。虫嫌いの人にはお勧めできないけど、B級ホラー好きなら一度は観てもよいでしょ。すくなくともジョン・カーペンターの作品よりは興奮するから。
ろく

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