すず

フェノミナのすずのレビュー・感想・評価

フェノミナ(1985年製作の映画)
4.5
世界観がもの凄い。完成された空間。時を追うごとに恐怖と不快感を煽られるグロテスクさに美を追求した傑作。人間の本質的な恐怖である死に貪りつく虫の生命活動との対比には全身が粟立つ。虫と共鳴する少女が起こす現象、人間が宿す悪意、汚物的な不快感、そして唐突に狂乱する異形のもの。こんなグロテスクな世界にうら若き絶世の美少女ジェニファーコネリーを放り込んで眺める変態性、またそんな彼女の儚い美しさが完全に画に映えて作品に付加価値を添えている。理解不能に挿入されるメタルとバキバキのテクノサウンドも計算されたものなのか、時代の流行りなのか、ただの趣味なのかもはや不明だが、作品の異物的な世界観を助長してる。主要キャストのチンパンジーも助演女優賞なみの大活躍をみせる。
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