Supernova

コンタクトのSupernovaのレビュー・感想・評価

コンタクト(1997年製作の映画)
5.0
"It seems like an awful waste of space."
「こんな広い宇宙に我々だけなんて"スペース"がもったいない」

世界一好きなセリフ。オカルトだの超常現象だのを頑なに嘲笑してきた夢もひったくれもなかった高校生の僕に夢を見せてくれた。

科学、宗教、政治、哲学、社会、すべての側面において一切の妥協なく考え抜かれている。
それでいて、主題となるのは娘と父の親子愛であり、愛と信仰に帰着する見事なクライマックス。ミクロにもマクロにも完璧。自分の中で数少ない完璧な物語の一つ。

科学と宗教。一見対立する思想のように見えるけど、実のところはこの世界における絶対的な真実の探究といった共通目的がある。だからこそ対立するのではなく手を取り合おうという博愛を説く美しいメッセージ。あらゆる分野の知識に精通していたカールだからこそなし得たこと。
カール・セーガンほどの天才は二人といない。

世界一美しく壮大な遠景ショットから始まるので必見。全編通してストーリーのみならず映像も素晴らしい。

SF(スペースファンタジー)ではなくSF(サイエンスフィクション)で『2001年宇宙の旅』に次ぐ偉大な作品だと思っている。なんせ本作は『インターステラー』や『メッセージ』といった作品を生み出している。そりゃあ客観的に見てもこの作品の偉大さは否定できまい。

最後の20分は涙の滝。For Carlでまた一滝。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でも『フォレスト・ガンプ』でもなくこれこそが正真正銘ロバート・ゼメキスの最高傑作。

既に何回も観てるけど当たり前のように今後も何度も見直します。
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