前々からうっすら感じていたロバート・ゼメキスの苦手な部分がこれで決定的になった感じ。大体『フォレスト・ガンプ』からしてイイ話風ながら倫理的にまったく見過ごせない極悪描写がある。この作品もナチュラルな上から目線がひっきりなしだ。盲目の共同研究者に優しくして「あげてる」感が隠せてないし、主人公は最後まで信条を曲げず手も汚さないまま、敵は勝手に自滅してくれる。マシュー・マコノヒーの役の、顔と体以外のどこに好きになる要素があるのか全くわからない。こんなに都合よく物語が転がるなら、まだ「神がいる」ってオチのほうが納得できる。
