Blue

コンタクトのBlueのレビュー・感想・評価

コンタクト(1997年製作の映画)
5.0
映画館で6回は見た挙げ句に、いまだに毎年一回は見返している映画です。カールセーガン原作も5回は読み返しているくらい好きな小説です。

この映画の影響はとても大きく、クリストファーノーランのインターステラーはその代表例でしょう。父と娘の話でありながら、主演のマシューマコノヒーはこのコンタクトに出演してる事がとても影響してると思います。

またNetflixで2024年に配信される三体も大きな影響が垣間見えます。こちらは父と娘の話といえばこじつけになってしまうけど、父の影響で天文学者になる娘がいて、宇宙生命体とコンタクトをとろうとするストーリーになっています。
三体の小説では、5冊あって第二部の黒暗森林まで読むといかにコンタクトをとる事が危険な事か、という事が書かれていてこの映画/小説の内容を否定してしまう形になるけど、第三部まで読み進めていくと最終的にはコンタクトの小説/映画と共鳴する形になっていきます。
ぜひ三体を読んだ方、あるいはドラマを見た方はこのコンタクトの小説や映画をご覧になっていただきたいですし、コンタクトを鑑賞した方はぜひ三体の小説/映画をご覧になっていただければと思います。

このコンタクトの映画の見どころは、なんといってもオープニングの映像美。ノイズまみれの地球からどんどん離れていくにつれて音が聞こえなくなってきます。
そこからエリーの目が映るシーンまで、何度見ても個人的には飽きません。
映画館で見た時、およそ40億年以上の歴史がある地球でようやく人が月に行ったくらいだというのに、5億年しか経ってないヴェガに文明があるという設定はあり得ないと思いながらも、それは自分の物差しでそう思っているだけであって、完全に否定できないところで未知の世界にとても心が躍動したのを憶えています。

当時は宗教を信じてる人間など馬鹿だと思っていました。徹底的にこきおろしていたのだけど、この映画で自分がどれだけ浅はかだったか、思い知らされました。
エリーは実証されたものこそが事実であるという事を科学者として、自分の人生の1番大事な柱として生きています。
しかしその生き方が彼女を苦しめる事になる。証人喚問でのあのエリーを演じるジョディフォスターのあの表情。
あの表情を映画館で初めて見た時に、本当に悔しくて悔しくてたまらなくて、涙が出てきました。
エリーを問い詰める政治家や官僚がどれだけ多くの戦争を引き起こしてきたか、どれだけ歴史を歪めてきたか、そんな奴らがどうしてエリーを攻めることができるのか、冗談じゃないと思いました。

しかしその後の展開。いつ見ても扉を開けたそのシーンに大号泣してしまいます。後にも先にもこの映画くらい毎度泣かされてしまう映画はありませんw。

冒頭のオープニングシーンで様々な星々/銀河が映りますが、あれでも1000ピース以上あるパズルの1ピースにしかすぎません。それでもあれだけ星々があるという事は、個人的にも生命体はいる、あるいは誕生するだろうと思います。

小説では5人の科学者を中心にストーリーは進んでいくのですが、ラストは計算された数字の中で0と1だけの数字で埋め尽くされた部分があります。ノート一面のページにゼロの数字で埋め尽くされた状態、そのページにマルを描く。
そのマルの描いた線が1という感じです。

天体物理学者でもあるカールセーガンの本音は別として、この宇宙は誰かが創造したものだという形で終わっていきます。映画を鑑賞後にこの小説を読んで、面白い終わり方だなぁと思いつつ、いまだに星空の写真を撮る時には様々な事を考えます。
夜空を見上げても、日常でも自分の中で神は見つけられていませんが、この映画の影響があってジョディフォスターは神のような存在だと崇めています。
彼女に迷信はするなという映画でもあると説教されそうですが、それでもこの妄想に依存してこれからもニコニコ生きていければと思います。

演出、演技、全てにおいてトップクラスの出来といえるこの映画をぜひ見ていただければと思います。
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