まめもやし

コンタクトのまめもやしのレビュー・感想・評価

コンタクト(1997年製作の映画)
4.0
宇宙への憧れや神秘を見事に伝えてくれるロマンティックな映画。

冒頭から惹きこまれる。地球のアップから遥か彼方の宇宙の先までの引いてみせる演出は「2001年宇宙の旅」を参考にしていたらしいが宇宙のディティールを事細かに表現していてこのアニメーション作成に相当時間がかかったのも頷ける。

内容は天文学の用語だったり科学と信仰を対照とするような形で展開していくので一見難しそうかと思うが噛み砕いていて非常にわかりやすく伝えている。人間という存在の意味や宇宙や銀河の真理を知るためなら死ぬ覚悟も厭わない科学者と関心も薄く保守に逃げる政治家や過激にもなりうる宗教家といった様々な立場や考え方があるがどれが正しいなどとは敢えて言わず巧みに表現している。

カール・セーガンの原作や映画の脚本ももちろん素晴らしいのだが個人的にはジョディ・フォスターの演技が素晴らしかった。音声解説でも言っていたが彼女自信の宇宙に関しての好奇心だったり信念だったりが演技を通して感じられる。ラストの公聴会での言葉は心に残る。

"宇宙に地球人だけならスペースがもったいないでしょ?"
人知を超えた宇宙のロマンを味わえた、これこそSF映画の醍醐味だというようないい映画だった。ただ日本人への誤解は改めてほしかった。
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