ゆい太郎

戸田家の兄妹のゆい太郎のレビュー・感想・評価

戸田家の兄妹(1941年製作の映画)
4.0
 冒頭は家主の酔った姿が最高潮で、嬉しそうに顔を撫でる姿が秀逸な演技だった。上流階級の上流国民の生活は、虚無感と嫉妬感に包まれたが、それでも尚、終盤にかけて一気に畳み掛ける脚本は見事。カメラワークや脚本の事を忘れて観ていた。女の戦いに男が口を挟めれた最後の時代かもと考えつつ、この物語に決着をつけた偉そうな立派な男が童貞心満載で砂浜を走る様が、いかにも時代を感じさせていて、風流というかロスタルジックな時(余韻)を味わえられて、とても良かった。気狂いじみた主人公や天才的な敵(または逆)などが出てくる派手な映画も好きだが、人の手の温もりを感じさせるような映画も好きだと再認識させられた。良い映画でした。
ゆい太郎

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