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アラバマ物語のこーたのレビュー・感想・評価

アラバマ物語(1962年製作の映画)
4.0
正義って何なのか?純粋な子供の感性で見ると正しい方が勝つとは限らない世の中の方が滑稽に映る。
所謂昨今の人種差別をテーマにした映画の多くは裁判で最後に黒人側が勝利する印象があるが、本作では見事な弁論にも関わらず明らかなイデオロギー的判決によって有罪となり、トムは死んでしまう悲劇が描かれている。ラストにはその報復の形で、それまで伏線の様に語られてきた障害者のブーが登場して悪者から子供たちを救う。彼は白人だったが、それが大きな意味を持つ。ブーは正しいことをして救われる。障害者で白人だから?
いつも正しいことを言い、正しい行いをする弁護士の父親は、物語で言うと決して折れない主人公的存在だったが、それさえも子供からしたらよく分からない理由で負けてしまう。そう、人種差別はよく分からない理由なのだ。
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