いの

ストリートファイターのいののレビュー・感想・評価

ストリートファイター(1975年製作の映画)
3.8
🐱チャールズ・ブロンソンのファイトクラブ(賭け金つき)


貨物列車と共に来たりて、貨物列車と共に去りぬ。シリーズ化できそうな映画です。54歳のブロンソンは、闘うにはいささか老いていると言われながらもやっぱりつおい。はじまりは戦いを挑む側、でもすぐに挑まれる側になる。高いフェンスに囲まれた中でのファイトシーンでは、時折カメラも高い位置から俯瞰する。その時、影も長く伸びて、まるで立体的な影が闘ってるような場面があって、それはとてもかっちょ良かった。南部のロケ地が何処かはわからないけど、柔らかな陽光とかも、今までみたことないような開かれた感じを受けた。ハーモニカは吹かないけれど、猫ちゃんは抱える。牡蠣の殻がいっぱいある工場での最後の血斗場面は、なかなか凄かった。そして爽やかに互いの健闘をたたえあっているようにもみえて、やっぱりこれもボーイズの映画だなぁと。



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チャールズ・ブロンソンとジェームズ・コバーンとの共演ということで観賞。コバーンも、強さの片鱗をチラ見せでいいからして欲しかったかも。床屋での髭剃り場面があったけど、この映画も西部劇の系統に当たるのかしら(西部劇には床屋での髭剃り場面がよくある気がする)。





〈追記/メモ〉2024年春

そのとなりにあるレンタルのヴィデオ・ショップはときどき私の利用する店だった。(略)店の入口に置かれたディスプレイの二十七インチTVはウォルター・ヒルの『ストリート・ファイター』を流していた。チャールズ・ブロンソンがベア・ナックルのボクサーに扮し、ジェームズ・コパーンがそのマネージャー役をやる映画だった。
(村上春樹『世界の終りとハード・ボイルド・ワンダーランド(下)』新潮文庫、2023年第17版、272頁)
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