『スト2』でもヴァンダムでもありません。
チャールズブロンソン主演の超激渋ストリートファイトムービー。
ブロンソンの映画が観たくなってきたので。
監督は『ウォリアーズ』のウォルターヒル。
風来坊のブロンソンがジェームズコバーンとコンビを組んで賭けファイトで一山稼ごうとする話。
渋い。
とにかく渋い。
何から何まで渋い作品だ。
ストーリーはいたってシンプルで、ドラマティックな演出は何一つ用意されていないが、至る所に下町特有のノスタルジーが漂っているので無茶苦茶哀愁を感じさせてくれる。
ブロンソンはこの時もう50歳を越えているが「ガタがきてるがくたばる訳にはいかん」と言わんばかりの鍛えられた体と肝っ玉なのでとにかくカッコいい。
僕は『ロッキー』序盤での、スタローンがあてもなく街を彷徨うシーンが凄く好きなんだけど、その部分でいえば本作は至高である。
アポロに対戦相手として指名される訳でもないし、エイドリアンな恋人と結ばれる訳でもない。
でもそれこそがこの作品の良さなのだ。
後もう一つ。
ラストバトルは余計なギャラリーがなく、BGMもつかないのでとても淡々としている。
でも、そこには賭け事と勝負の世界という裏の業界でしか生きられない男達の意地の張り合いがあり、とても『麻雀放浪記』の雰囲気そのまんまだなと思いました。