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太陽はひとりぼっちのくまのレビュー・感想・評価

太陽はひとりぼっち(1962年製作の映画)
4.3
冷めきった男女と熱狂に覆われた証券市場とのコントラスト。その渦中に居る母は娘の話も聞かず。だが儲けた金も市場で買う梨は値切る。双方に透け見える虚無感。埃にまみれた部屋、長い沈黙、そして株の大暴落。男女はそんな無の境地から逃げ出すように互いを求める。

実験映画とは少し違う明らかに長すぎる映像演出、進みそうで進む気配のない男女の関係。映画そのものが私達の生きる社会の虚無感を体現している。愛さえ形骸化したこの世界で、人々は何を目的として生きているのか。インターネットの存在しない時代に生まれたこの作品が、今の時代の私達に再び問いかける。

2024's 33rd

~criTerion Of sc0Re~
★ - : watcHing
★3.0: bAd
★3.7: g00d
★4.0: greAt
★4.3: AwesoMe
★5.0: L0ve
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