三次元からきたブロンディ

喝采の三次元からきたブロンディのレビュー・感想・評価

喝采(1954年製作の映画)
3.7
記録
かつてはミュージカルで名を馳せ、今はアルコール依存症を患い落ち目のスター、その俳優を支える妻、そして彼を何としても復帰させようとする演出家、三人が織り成すバックステージ作品。

バックステージものの代表作といえば『サンセット大通り』と『イヴの総て』が思い浮かぶ。
この映画ではかつてのミュージカル俳優を演じたのがビング・グロスビーである。グロスビーも子供が死んだ事により酒を飲みアルコール依存症へと堕ちいていくスターを演じていて見事だし、演出家を演じたウィリアム・ホールデンもこれが面白く、数年前には『サンセット〜』で売れない脚本家を演じていて、この映画では舞台演出家という、ちょっと繋がっているように見えてしまった。

そして、やはり一番良かったのは夫を献身的に支える妻をグレース・ケリーが演じ、彼女のイメージが変わった作品でもあった。彼女はこれでアカデミー賞主演女優賞を齎した。