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ファビオラ
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『ファビオラ』に投稿された感想・評価

異教徒拷問ショー1分もないのにグロすぎて圧倒されつつ、映画自体はそれほどかと。ラストのコロッセオでの戦闘シーンはどれも『鉄の王冠(原題La corona di ferro)』に軍配が上がる。というかルアールとカメラの距離がずっと近いのよ。演説は顔ではなくて教徒を扇動する屈強な腕も含めて見せなければ。
kayupan

kayupanの感想・評価

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コンスタンティヌス帝によるキリスト教容認後も差別が残るローマ帝国で、富豪ファビウスがキリスト教と共存し奴隷解放を宣言するも殺害され、キリスト教徒の仕業と流布される。ファビウスの娘ファビオラと恋仲の剣闘士のルアールがキリスト教徒を救うべく奔走する話。
DVD(ブロードウェイ)にて鑑賞。白黒で164分があっという間。歴史スペクタクルのみごとな娯楽作品だけど、ブラゼッティのテーマは変わらない。不正の告発と暴力への抗議。だから作品には不正と暴力に溢れている。告発と反対のため。

イタリアは内戦が終わってまだ4年。もう戦争はたくさんだというのはヨーロッパの気持ち。だから憎しみが憎しみを呼ぶ戦争の連鎖を断ち切るための奇跡が必要だということか。たしかに今にしてれば、多少はキリスト教的理想主義のうようにも見える。なにせ原作小説『ファビオラあるいはカタコンベの教会(Fabiola or, the Church of the Catacombs)』(1854)は枢機卿ワイズマンが」だし、プロデューサーのサルヴォ・ダンジェロも制作会社のウニヴェルサリスもカトリック系として有名だ。

とはいえ、戦争の悲惨をくぐり抜けたばかり観客にとって、このぐらいの理想主義やご都合主義は、むしろ心地よかったのではあるまいか。ミシェル・モルガンとアンリ・ヴィダルの美男美女のカップルが登場すれば、スクリーンはぱっと輝いただろうし、イタリアが誇るマッシモ・ジロッティのセバスティアーノの輝かしさと、脇を固めるエリサ・チェガーニ、パオロ・ストロッパ、ジーノエ・チェルヴィなどが、絵を引き締めてくれている。

ブラゼッティはこの映画でもパイオニアとして、1950年代のソード&サンダル(あるいはペプラム)と呼ばれる、聖書や叙事詩や神話に基づく叙事詩映画の先駆けとなっている。とはいえ、彼としては戦前に『鉄の王冠』(1941)のようなコスチューム史劇を撮っているし、その前にも『1860』(1934)では見事な戦闘シーンを撮っているわけで、べつに新しいことではなかったのかもしれない。

むしろ彼にとって新しかったのは、史劇におけるリアリズムだったのだろう。時代がかった演出ではなく、むしろ現代に生きる人々とかわらないローマ人たちの姿。だから聖セバスティアーノ/ジロッティは、けっして神々しさにすぎることはない。もちろん、あの矢を射られるシーンはさすがにゾクっとさせる色気はあるのだけど、そこは映画。サービスは必要。そのあたりは職人ブラゼッティ、ぬかりはない。

そうやって手を尽くして、同時代を生きる人々に届くようなリアリズムによって、語りかけようとしたことは何か。ブラゼッティはこの映画について、こう語っている。

「わたしは、登場人物たちが古代ローマ帝国の甲冑や鷲印軍旗のもとで息の詰まるおもいをしてほしくない。巨大で冷たい家に住んでいてほしくはない。歴史と面と向かってみれば、そうではなくて、人物たちが生き生きと、人間らしく、わたしたちの今の現実に結びつけらえれるような、生き方をしていてほしいのだ。暖かくて親密な、本物のローマらしい家に住んでいて、床を引きずるようなトーガではなく、着心地のよいウールの服を着ていてほしい。その口ぶりも、身のこなしも、苦しみ方も、愛し方も、アッピア通りにみかける多くの彫刻のようにではなく、今のわたしたちのようであってほしいのだ。そのときに初めて、わたしの映画は、今日の人々に、わたしが聞いて欲しいことを伝えることができるのだろう。わたしは人々に、暴力と戦争、独善主義と職権濫用に苦しんできた男の言葉を聞いて欲しいのだ」
Luca Verdone, "Alessandro Blasetti" (Roma, Gremese, 1989), p.52.

今見ても、それは十分に伝わってきた。そして作品としても十分に堪能できた。ただしブロードウェイ社のDVDはフランス版。イタリア版で見たかったところ。まあ主役のふたりがフランス人だし、フランスとの合作だからというのはある。それから画質だけど、楽しめたのだけど、できれば修復して、きれいな版を見直してみたいところ。

まあ、欲を言ってはキリがないけどね。