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野獣刑事(デカ)のtunicのレビュー・感想・評価

野獣刑事(デカ)(1982年製作の映画)
5.0
ピンピンに殺気立った形相で明け方の新世界を歩く緒形拳。渡し船で豪快にたこ焼きをほおばりゴミをポイ捨て。その足でいしだあゆみのアパートを訪れ昼間っから大胆セックス(子どもがみてるでしょ!)。野獣刑事(デカ)ってこういうこと~?となんとなく納得しながらみていたら、もう一匹の獣が登場。狂犬泉谷がムショからふらり出てきて、いしだあゆみ親子をいつのまにか懐柔する。シャブきめながら公道レースやったらアカン!終盤の無茶苦茶なカーチェイスにとにかく興奮。その一方で、血のつながらない擬似親子が食べるジャワカレーにもらい泣き。ほかにもエンタツや成田三樹夫ら濃すぎる警察署の面々や、釜ヶ崎のキリスト画家、お人形さんにおしっこさせる裸の大将などなど、大阪の夜にうごめく獣たちがたんまり出てきて見る人の目を惑わすけれど、この映画の主役はなんといっても仙元キャメラ。タイトル前に青白く光る濡れたアスファルトが映し出された段階でキタキターってなる。今までみてなかったの軽く後悔するほどの傑作でした。
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