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野獣刑事(デカ)のAONIのレビュー・感想・評価

野獣刑事(デカ)(1982年製作の映画)
2.5
社会の底辺労働者が集まる大阪・釜ヶ崎の雰囲気は良く出ていた。
夜の路上に置き去りにされた赤い傘。工藤栄一ならではのスタイリッシュな映像美は健在だが、内容の割に長すぎてダレる。

ネイティブ関西人いしだあゆみの関西弁は大変に心地よい。 「イヤやってー、今日は疲れてるからアカンてー」 男を拒む台詞がやたらと生々しい。脚本家、神波史男の実体験か? 泉谷しげるも臆病者のクセに薬でラリると大暴れするダメ男を大熱演。

連続殺人犯が序盤で直ぐに特定されてしまう展開の不味さ&お粗末な囮捜査など、ストーリーは実につまらない。不気味なサイコ殺人鬼を、今ではすっかり有名になった俳優が演じているのが見どころの一つか。

いしだあゆみと泉谷しげるの子供が、阪神タイガースではなく近鉄バッファローズの帽子を被っているのが、大阪市南部という地域性を出していてリアルだ。 あの少年の行く末が気になる・・・。
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