けーはち

野獣刑事(デカ)のけーはちのレビュー・感想・評価

野獣刑事(デカ)(1982年製作の映画)
3.5
贈収賄などお手の物、別件逮捕や拷問、囮捜査と何でもござれ、自ら検挙した犯人の情婦を寝取り共同生活、ただ子供にだけは愛情のある、野獣刑事・緒形拳の大捕物を描く。大阪・釜ヶ崎を舞台に生々しい混沌と狂気に溢れた和製ノワール。日本に数少ないスラムと言えるあいりん地区のロケなどは公にできぬ隠し撮りカットもあるに違いない。一応は猟奇殺人犯を捜すのが軸の刑事モノだが、狂気と混沌の過積載のため物語は途中で破綻していく。その主因となるのは緒形拳が情婦を寝取った相手の泉谷しげるで、彼が手のつけられない狂犬として話を掻き乱す。出所して再びシャブに手を染めてガンギマリ💉🤪で大暴走。「シャブには火事だな」は名セリフ。シャブで瞳孔が開くのを再現したのか激しく明暗する演出や、梅田の繁華街から新興住宅地までカーチェイスは中々に激しく緊迫感溢れる。大人が滅茶苦茶やるのに巻き込まれる子供は只々可哀想ではある。