だいすま

サウダーヂのだいすまのレビュー・感想・評価

サウダーヂ(2011年製作の映画)
3.0
甲府を舞台に閉塞感を抱えて生きる土木作業員の男や家庭が崩壊しているラッパー等の日本人と、出稼ぎに来ているブラジル人他外国人との共存する世界を描いた作品。

いつの間にか外国人が土地の住人になってしまい昔から住む住人が違和感を覚えながら生活する下りは、現在の退廃する地方都市を表しているのであろう。
私はそういう地域での生活経験は無いが、企業城下町と言われる地域ではこうした光景がそこかしこで見られるのかもしれない。

どこかに行きたいのに、どこにも行けないもどかしさ。土木の仕事が見つからずあてもなく彷徨う男。遠路遥々出稼ぎに来たのに全く稼ぎがなく母国へ戻る外国人。

どこにも明るい未来は無く、ブラジル人を刺して自ら捕まったラッパーが、この息苦しい世界から漸く脱出出来ると言わんばかりに笑顔で手錠を高々と掲げるラストシーンは何とも切ない。
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