第33回ナント三大陸映画祭(2011)の最高賞である金の気球賞を受賞した富田克也による脚本監督。そして35mmで撮られた贅沢な作品。
共同脚本に相澤虎之助。
撮影にはお馴染みの高野貴子。
編集には富田克也と高野貴子。
過去作から順繰りに見ているとタッチは一貫している。現実のリアリティをそのままフィルムに収めたドキュメンタリー的な手法は、監督自身も語っている通り、「映画製作に人を合わせるんじゃなくて、人の方に映画製作側が合わせていく」そこからくるものだろう。
しかし、現実社会をそのまま切り取ってもオモシロイことにはならない。
ロベール・ブレッソン
「現実を、現実でもって修正せよ」
現実社会の実在の人物に寄っていって、そのまま映像として切り取るのではなく、現実社会を、現実として、実在感として修正を加えるべきなのかな…と思う。
そのままというか…なんだろ、Vシネ感というか、ホームビデオ臭が、どうしても漂ってしまっている。仲間内だけで撮った自主制作のような…D.I.Yというのか…
鷹野毅が演じる精司の演技が、ここにきてやっと良くなってる。無駄に手を動かしてしまうクセなのか無意識なのか…それが鬱陶しかったが、ようやくそれがとれた。
その精司の彼女と、美心会という四人組の女性たちの圧倒的なクオリティの低さ。これが地方の現実だに。いくらダサい格好しようが、しょぼいメイクしようが、このクオリティを女優では絶対に出せない!なんともいえない、このイナタイ感じが素晴らしい。垢抜けない感じ…地方のスナックに行ったら絶対にいそうな感じ。
いい顔して最高なんだけど、芝居が素人だから、そこが目についてしまう。
タイ帰りの保坂を演じた伊藤仁の演技もだいぶ良くなってる。ようやく自然に見れるようになってきた。
職業俳優である川瀬陽太の方が逆に芝居がかってて悪目立ちする。ウソくささが際立つ。なぜ彼を気に入って使う意味がワカラナイ。
○スナック
川瀬と一緒に盛り上がるキャバ嬢なのか、フロアレディなのか…
この二人のギャル具合も最高!
これもホンモノだろう。
○LIVE
UFO-K
「なに撮ってんだよテメェ!オマエラそうやってコソコソ隠れてよー!パソコンの前でシコシコやってんだろ?!この2チャネラー共がよ!正々堂々言ったらどうなんだよ面と向かって!電脳空間から出て来いよー!あぁ?」
この傾向は益々強まるばかり。
髙田延彦の真似して「出てこいや!」
ダラダラと見てられるのだが、山場がない。
この作品が当時、盛り上がっていた要素が掴めない。
空族の作品群とは水が合わないようだ。
『チェンライの娘』
吉本興業製作の短編。
Filmarksになかったので、ここに記す。
メイというタイ人女性を買う川瀬陽太。
メイ
「もうビンビンだよー。シャワー浴びてくるから待っててねビンちゃん!」
サウダーヂの保坂もビンちゃんというアダ名で呼ばれていたが、そのビンちゃんはチンコビンビンからきてるのか?
またチャイナタウン歌ってる川瀬陽太。
川瀬陽太の胡散臭さ。漂うVシネ臭。
当ててますよ感すごい照明。
夜空に流れ星。別にいらないだろ!
見てられん…