ひょんひょろ

サウダーヂのひょんひょろのレビュー・感想・評価

サウダーヂ(2011年製作の映画)
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絶対にあそこでは暮らしていけないし、きっと誰とも友達になれないどころか、連中はわたしのことなんて記憶にも残さないだろうな、というくらい田舎の地獄を見たはずなのに、この映画を観ている時間には帰りたくなる。それがすでにサウダーヂなのかもしれない。出てくる女たちの大半はどぎつくて痛々しくなるのに、特に男が搾取している感じもない。政治家が1番のギャングスタだから、男は土方かラッパーかヒッピーで、女はゴロつきながら適当な商売をしている。「正義」という各々の大義名分はいつだって混沌としている。セイジはタイでちゃんと働くつもりであっただろう。わたしだってお金は欲しい。とにかく毎日イライラする。考えないように生きてててもムカつくことはある。今日はスカッとした。十年前に観れてたらよかったかなと思ったけど、たぶん今日観たのが良かった。あれから何か良くなったかなあ、たぶん悪くなったと思う。だからスカッとした。