よしまる

恋愛小説家のよしまるのレビュー・感想・評価

恋愛小説家(1997年製作の映画)
3.7
 友人とのオンライン上映会のお題目。

 ジェームズLブルックス×ジャックニコルソンといえば「愛と追憶の日々」を観ていて、それと比べるとシリアスな展開はまったくなくあくまでライトなコメディに徹している。なので物足りなかったのかなと思ったけれど、いや、自分がヘレンハントよりシャーリーマクレーン好きなだけだった笑笑

 偏執的で共感を得にくいはずのキャラクターをニコルソンが演じればあら不思議、愛すべき中年キャラとして、どんどん可愛く見えてくる。

 「恋愛小説家」ってなぜそこ拾ったのかという邦題に引きずられてしまい、恋愛小説のベストセラー作家がこんなに女心を分かんないなんてことある??と余計な詮索が邪魔をしたのは残念。でもココ、なんでわざわざ恋愛小説家に設定したのかは、結局最後まで謎だった。読解力不足?

 それにしても細かいことはいいんだよという時代性と、主演2人の演技で充分に楽しめる。主演男女が揃ってオスカーというのも、この作品以降は四半世紀にわたり実現していない。

 キーパーソンとなる隣人のサイモンも良いキャラで、「リトルミスサンシャイン」の旦那さんのグレッグキニアだとはまったく気づかず。主演2人に隠れがちながら地味に名演でドラマを支えていた。

 良質な大人のコメディ、いまの時代ではなかなか作るのも受けるのも難しいのかもしれないなー。おおらかに人を受け入れて、笑って許せる幸せな世界がどんどん遠のいている気がする。