Jimmy

男はつらいよ 翔んでる寅次郎のJimmyのレビュー・感想・評価

4.3
第23作、マドンナ:桃井かおり
初見は1980年4月28日、その後、何回も観ている。

結構感動する寅さんシリーズ。
マドンナがスカートのポケットに手を突っ込んで佇む姿は、桃井かおりならではだと思う。

冒頭の夢シーンは、なんと差別発言だらけ。初見の頃は気にならなかったが、現代(2013年)では「凄いな~」と思ってしまう。なんと寅が「キ〇ガイ医者」の夢…

夢を見て、柴又に帰って来た寅は、タコ社長の会社社員の結婚に「職工の結婚?」とケチをつけて言い争う。(が、出て行かない寅。)
→この職工の結婚エピソードは、本作の桃井かおりの結婚とリンクする。
続いて、満男が先生に褒められたという作文を寅が読み上げると「ママが悲しそうな顔をしている時がある。それはおじさんが帰って来た時だ…」で、また喧嘩。今度は出て行ってしまう。

北海道へ行った寅は、入江ひとみ(桃井かおり)と出会う。
二度目に出会ったときは、車の中で、旅館の放蕩若旦那(湯原昌幸)に襲われそうになっているひとみを助ける寅。
2人で2部屋を取ろうとしたら部屋が無かった旅館でこの若旦那が出て来て、「あっ、そう。部屋ないの。この辺に警察無いかな~。婦女暴行で訴えようかな~」には爆笑。
ひとみが去った後も、何日か若旦那をほとんど脅迫(?)のような感じで旅館に居続ける寅には笑える。

そして、ひとみは結婚式会場からお色直しの時に逃げ出して、とらやに行ってしまう。
寅との再会。楽しい時を過ごすが、寅はひとみに大事な言葉をかけてあげるあたりは素晴らしいシーン。
ひとみの母親(小暮実千代)の存在感は流石である。田園調布の良家の母親役。

そして、結婚式で結婚するはずだった青年(布施明)もとらやにやって来るが、最初のうちはひとみとシックリこない。

途中で、源公(佐藤蛾次郎)を釣鐘の中に入れて御前様(笠智衆)が鐘を鳴らすシーンも良く考えると、なんか凄いシーンである。ちょっと拷問チックである。

ひとみと青年(布施明)の結婚式は、ひとみの「寅さんに人の気持ちを考えることを知らされた」というセリフ、布施明のギター弾き語りは感動的。
この結婚式の仲人は寅とさくら。寅が仲人までしてしまうのは異例の展開。

なかなか面白い一編。
Jimmy

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