デニロ

男はつらいよ 翔んでる寅次郎のデニロのレビュー・感想・評価

2.5
とってつけたようなひどい題名だ。1979年お盆映画。同時上映は友里千賀子主演の『港町紳士録』。久しぶりに観たけれど湯原昌幸のご乱行シーンで観たことを思い出した。『港町紳士録』は観たという記録しかない。

桃井かおりの登場シーンもひどい。ダボシャツ腹巻姿の渥美清に何しているのと声を掛け、車に乗ってかないと誘う。そして見知らぬ男を簡単に誘うもんじゃないと渥美清に窘められる。当時桃井かおりという俳優ともつかぬ者を好きになれず、その後の彼女を知るに至る現在、あらためて本作観ながらこの手前勝手な行状に全篇生理的な嫌悪感を感じる。桃井かおりは、マリッジブルーか何か知らぬが結婚式当日式場から逃走し、旅先で知り合った渥美清の実家とらやに押しかける。しあわせな気分になれない云々。そのお連れ合いが布施明ということで、わざわざ袖にされた桃井かおりに会いにとらやに出向く場面に、これもムリ筋だと思う。そのふたりのアパートでの新たなしあわせ始まりの抱擁など虫唾が走ります。

ということで桃井かおりのしあわせなどどうでもよいが、渥美清のしあわせと木暮実千代のしあわせと布施明のしあわせ戸川京子のしあわせ、そして倍賞千恵子のしあわせはそれぞれ違うという話。そのズレは致し方なく、人を戸惑わせ彷徨わすのです。

原作山田洋次。脚本山田洋次、朝間義隆 。監督山田洋次。
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