Dana

男はつらいよ 翔んでる寅次郎のDanaのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

生きてます。

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さくらとひろしが結婚してから10年。つまり男はつらいよ第1作目が作られてから10年がたったということ。
そんな節目の今作は第1作と同じく結婚の話です。毎度かわいいヒロインが登場するこのシリーズだが今回のヒロインはトップクラスに可愛い。そんなヒロインを演じた布施明ですが…っえ?布施明はヒロインじゃないだろ?いえいえ今作にヒロインは間違いなく布施明演じる小柳邦夫なんです。その理由は後ほどお話ししましょう。

布施明が今作のヒロインであると言える理由ですが、
(注:ここでのヒロインとは極めてステレオタイプなものである。ヒロインだから純粋無垢であるべきとかそういうことを言っている訳ではないので悪しからず。そもそもこれはそんな本気で描いてるものじゃない。暇つぶしにふざけて書いてるだけなのでまじめに読まないでほしい)
1. ヒロイン要素を全て持つ布施明
歴代のヒロイン達を平均して見ると(リリーのような外れ値を外して考える)、長く美しい髪、綺麗でウルっとした目、綺麗な顔立ち、それらを布施明は全て持っている。容姿だけではない。ヒロインに大切な重要要素それがイノセンス。つまりは純粋無垢さ。金持ちのボンボンだった青年が愛する彼女を思い家を飛び出し工場で働き、汚いアパートの一室で毎日カップラーメンを啜る。「これ以外と美味しいんだよ」今作の布施明はまさにイノセンスの象徴であると言えよう。

2. 桃井かおりの存在
布施明がヒロインなら桃井かおりはなんなのだ。と思われるかもしれない。ダブルヒロイン?どうかもしれないが。男はつらいよのヒロインはいつも何かしらの悩みや問題を抱えている。観客はそれを見て同情してかわいそうだと思うのでそこに感情移入が生まれる。しかし今回の桃井かおりには同情よりも共感の感情の方が強く与えられるようになっていると思う。ひとみは結婚が決まっているが何処かで引っ掛かっている。それは本当に相手が自分のことを愛しているのだろうか?本当に相手のことを愛しているのだろうか?ということで、それは寅さんが語る話を聞いた反応から分かる。「私その人が羨ましいわ。そんなに愛せる人がいるんですもの」
そして布施青年が初めて好きだと言ってくれた瞬間、自分が求めていたものを理解する。
そもそも山田洋次は桃井かおりをメインのヒロインで使う気持ちないのかもしれない。黄色いハンカチもあれはメインヒロインではない。黄色いハンカチのメインヒロインは高倉健の帰りを待つ倍賞千恵子であり、桃井かおりはむしろ主人公側にいる人である。そんな使い方をしている気がする。今作においても純粋な恋心を持つ少女ではなく、幸せについて考える悩める人物なのである。

3. かわいい
理由の三つ目は紛れもなくこの布施明はかわいいからである。声量オバケのどこが?と思うだろう。何を言っているのだと引いているそこのあなた。是非見て確かめてほしい。間違いなく一度は布施明をみて「かわいい」と思うだろう。


結婚式
一作目が懐かしい結婚式のシーンもありますが、最初の結婚式は豪華なもので場所はホテルニューオータニ(道理で見たことあるわけで)。明らかに嫌そうな新婦がとうとう逃げ出した先は柴又とらや。
寅は率先して匿うのですが、おいちゃんたちは赤の他人だと追い返そうとする。(なんだか今作はみんな冷たい所があったり、人がなんか怖かった)


今回のテーマは「幸せとは何か?」


無理に辛い思いをしようとしている周りから見たら甘えん坊のわがままなお嬢様。


「あいつのは意見じゃなくて偏見!」

すぐに「いいよぉ」と言っちゃう所が寅さんの凄い所であり弱い所。

失恋した寅が去ろうとしてさらなかったのは珍しい。辛い所だねぇ。

松村達雄はお馴染みだけど、少ない時間で印象に残り演技をする凄い人だ。

タクシーの運転手の犬塚弘も何度か出てるね。奮闘編に交番のお巡りさんとして出ていたやりとりをよく覚えている。

ヒロシが工場の仕事を終え体を伸ばしているシーンのショットは初めてなはず。もう見飽きた場所のはずがちょくちょく新しい撮り方でみせてくるので、あきないしそれが楽しい。

冒頭の夢パートで本読みながら飯食べてるから間違えて変なもの食べちゃうやつはいつぞやの大学助教授のやつだね。夢枕編だったか。


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2023/08/30
今回は男はつらいよ前の山田洋次作品で常連だった桜井センリと犬塚弘のクレイジーキャッツのメンバーが久しぶりに揃って出演、脇役ながら流石に印象は強い

桃井かおりはインパクト強いけどそれだけに絵になりますね

布施明は可愛いですね

旅館の若旦那のくだり面白い
Dana

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