スギノイチ

やっちゃ場の女のスギノイチのレビュー・感想・評価

やっちゃ場の女(1962年製作の映画)
3.5
1962年の青物市場。若尾文子と叶順子の姉妹。
昭和30年代の大映カラーが眩しい。

市場や葬式のシーンでは、大量の登場人物が画面を同時に横断し、それでいて話の邪魔をしない。昭和映画特有の充足感を感じる。
姉弟みんな、出てった父親(信欣三)を普段ボロカス言っておきながら、困ると父親宅に駆け込むのが和ましい。
ここで、徐々に彼女らと仲良くなる妾の清川玉枝も良い。
(『妻よ薔薇のやうに』あたりを意識してるのか?)

牧歌的でかわいい映画のはずが、叶順子の鬼畜上司・根上淳だけが映画のコードを破った色悪を見せる。
なんやかんや終わったあと、市場で冷酒をキューッと飲み干す若尾文子の美しさ。
あのままCM化可能。
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