おれさま

ユナイテッド93のおれさまのレビュー・感想・評価

ユナイテッド93(2006年製作の映画)
4.0
"Dedicated to the memory of all those who lost their lives on September 11, 2001."

ついに9月ですね。
9.11 アメリカ同時多発テロ事件から22年。
当時、小学生の時分、意味はわからなかった。大人たちの手が止まっていたことだけは覚えている。世界が悲壮感に包まれている、そんなことを感じていた。

テロに遭った4機のうち、唯一目標に達しなかったユナイテッド航空93便のリアル。

十数年ぶりに観た本作、
事件を思うだけで心が重くなる。
結果を知っている中での視聴。
それぞれが日常を過ごしてる中、
あの時間まで刻一刻。

直近で複数回飛行機に乗った自身にとって、飛行機という身近な乗り物がどれだけ当たり前なものであるか。おそらく、誰しもが抱く、"かもしれない"、"そうだろう"、"大丈夫"。

作品として観ても、事件に対する思いの強さを感じ手に力が入る。会話の内容がほぼ入ってこない程に。
地上の管制塔側の見えない敵に混乱する様や、エンドロールの"Himself"事件当日の管制塔業務従事者の出演、そして劇中でも扱われていた誤報・情報錯綜もすべて再現されており、リアルがそこにあった。
冒頭のハイジャック犯のシーンから分かるように、ただの善悪な映画ではなく、事実を淡々と伝えている点にも注目したい。彼らにとっても最期であった、その事実も。

ラスト、映画として観ることができなかった。
自分がそこに居たら、家族がそこに居たら。
なにができるだろう、なにをするのだろう。
なにを選ぶのだろう。
人生に、感謝できるか、後悔をするか。
夏になると一層に思う、いのちの尊さ。

"Let's Roll."
おれさま

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