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ユナイテッド93のmonoのレビュー・感想・評価

ユナイテッド93(2006年製作の映画)
3.5
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「なんでこの映画借りてきちゃったんだろうね。ただ悲しいだけで終わるの分かってたのにね。」
旦那がそう言って、私はおいおい泣いてしまった。
本当に、なんで借りてきちゃったんだろう。と思った。かなしすぎて、何も考えたくなかったから、すぐ次の映画を観ました。
だけどやっぱり改めて、考えないといけないと思った。
アメリカンスナイパーや戦争映画を観たり、どこかでテロが起こった話を聞くたびに、もう終わりにして、終わりにして、そう強く強く思います。
憎しみは憎しみしか生まないどころか、何乗にもなって膨らみ続けてゆくのに、それでも人は同じことを繰り返して自分たちで悲しみを増やしてる。
戦争映画を観ても、悲しいけどやっぱりどこか他人事に感じてしまうのは、時代が違かったりするのもあるけど、死にゆくたくさんの人たちにスポットライトが当たらないからかな。と思った。
たくさん死にすぎてるから無理なんだけど。
本当に本当に怖かったね。何も考えずにすぐ死ねた方がまだ良かったんじゃないか…
自分が身近に使う飛行機が舞台だったり、家族へのサヨナラの言葉を聞いたり、何よりまだ鮮明に覚えている実際のあの事件、感情移入完了の私は涙腺が崩壊しまくりでした。
特に息子のことを想うとやばかった。
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けれどやっぱり観てよかったと思うわけは、絶対に忘れちゃいけないことだから。忘れないように映画という存在が助けてくれる。
もし実際に、自分の大切な人がこんな悲しいことに巻き込まれてしまったら、きっと私の残りの人生憎しみしかないと思う。自分の手で仇を打ちたいと思うと思う。
でもそうじゃない、まだ実際に自分の大切な人が傷つけられてない今、悲しみの連鎖を断ち切ることの大切さを強く心に留めておかなきゃと思った。
そもそもなんでそんなにアメリカ憎まれてんだ、とか、本当はきっともっとちゃんと勉強しなきゃいけないのにね。
私はテロリストも可哀想でならない。なんだよその人生。
この映画で、さらなる憎しみが生まれないことを願います。
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