みかん

ホテル・ルワンダのみかんのレビュー・感想・評価

ホテル・ルワンダ(2004年製作の映画)
4.2
1994年ルワンダ。突如勃発した民族間の内紛によって約100日でおよそ100万人が銃やナタで大虐殺された惨劇の中で、たった1人で約1200人を守り抜いた、高級ホテルの支配人の勇気を描いた実話に基づく衝撃と感動の社会派ヒューマンドラマ。

まず、こんな近い過去にこのような惨劇があったことを知ってショックでした。

始まりからキナ臭い不穏な動き。

ラジオから流れた"虐殺開始の合図の言葉"によって始まった、冷酷無慈悲な大量殺戮。

そんな背筋も凍るような混乱と恐怖の中で、愛する家族や殺戮対象となった行き場のない人々を守るために、外資系ホテルの支配人として築いた人脈を駆使したり、過激派グループや政府軍へ賄賂で何とか敷地内の安全確保を交渉したりと、必死に脅威と立ち向かう主人公ポールには大変感銘を受けました。

国連の薄情な決断に愕然とし、いよいよ自分がどうにかするしかないという状況でも、最後まで諦めず全力を尽くす姿には尊敬しかなかったです。

家族を守るために約束したことや自己犠牲を払ったことが裏目に出てゾッとさせられたり、霧の中で車を運転しててどうも道路がデコボコしておかしい…というところから霧が晴れて理由がわかってゾゾゾーッとさせられたり。。。

実際に起きたことだから本当に恐怖しかないし、人間の持つ残虐さに慄き、愕然とし、実に深く考えさせられました。

その一方で、人間は一歩間違えれば殺されるという極限状態の中、命懸けで家族や多くの人々を守り抜く力強い勇気も持ち得るということもとても深く考えさせられ、ポールの絶望の中で見せてくれた人間の善良な心に胸を打たれました。

これも元を辿れば欧州列強のアフリカ大陸の植民地支配による因縁からの怨恨であり、歴史を知る大切さと、目を背けずに「人間」や「平和」について考えることの大切さを教わりました。


★1994年アフリカのルワンダ首都キガリ。外資系高級ホテルの支配人ポールは日々順調に仕事をこなしていた。

ポールはフツ族。妻はツチ族。子供にも恵まれ温かな家庭も築いていた。

かつて「フツ族よりツチ族の方が鼻が高い」などという偏見の勝手な理由から、ベルギーの支配下で中間支配層とされた少数派のツチ族に差別され、貧富の格差などに不満を持ち続けていたフツ族。

長年民族間争いが絶えず、一旦終結するも過激派の活動は水面下で続いていた。

ある夜、大統領が何者かによって暗殺され、フツ族過激派らは一斉にツチ族・フツ族穏健派への大虐殺を開始。

そこへ政府軍や国連軍など加わり、混迷を極める絶体絶命のこの惨劇の中で、ポールは家族や逃げ場のない人々約1200人を自分のホテルにかくまうことに。

国連にも見捨てられた絶望的な状況の中、果たしてたった1人で愛する家族や難民たちを守り抜くことが出来るのだろうか、、?
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