千年女優

スター・トレックVI/未知の世界の千年女優のレビュー・感想・評価

3.5
衛星プラクシス消滅に伴う母星クロノスの混乱によってクリンゴン帝国が混乱に陥る中、これを和平交渉の好機と考えるスポックら惑星連邦の面々に対し息子を殺されたこともあって反対するジェームズ・T・カーク。半信半疑のままクリンゴン宰相との会食に臨んだ彼らが、一世紀以上に渡る確執を乗り越えようと奔走する様を描くSF映画です。

テレビでの新シリーズ開始もあって本来は前作が最終作となるはずが興行収入が伸び悩んだこともあって第六弾となった1991年公開の作品で、シリーズ最高の評価を得た第二作『 カーンの逆襲』のニコラス・メイヤーを登用し、観客と批評家からも上々の評価を獲得して60年代のTVドラマの延長戦としてのシリーズとして有終の美を飾りました。

第三作からの迷走の主たる原因であったオカルトから方向を転換し、チェルノブイリを思わせる出来事からのいがみ合う二国の和平交渉という現実路線にシフトします。政治的な内容にスペースオペラとしてのワクワク感までは取り戻せていませんが、それでもキャラの特性を活かした対立軸を作ってエモーショナルに盛り上げている一作です。
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