しろくま

侠花列伝 襲名賭博のしろくまのレビュー・感想・評価

侠花列伝 襲名賭博(1969年製作の映画)
3.6
《ちょっと痛むわよ》
〝分からないな。ほっときゃよかったのに、どうして俺を。鹿沢の湯が傷に効くんで傷養生に来たんだが、奴等が…〟〝訳はどうでもいいの。そんな体で無茶をしたら命とりよ。ここにいなさい〟

浅草の太平組に追われ鹿沢温泉に傷養生に来ていた旅の侠客・柿沢高次(藤竜也)は、逃げ込んだ女湯で、芸者・杉崎志満(松原智恵子)に助けられ、かくまってもらうことになるのだけど…。彼女には、親が決めた許婚の向田組の二代目・周吉(江原真二郎)がいるのに、次第に高次に惹かれていき…。高次を慕う女壺振り師・マキ(梶芽衣子)、志満に亡き妻の面影を重ねる菊本露八(高橋英樹)も絡んで、二転三転する恋模様に目が離せない。

純情可憐な松原智恵子さんと任侠映画って、あまりにかけ離れていてピンとこなくて、これってギャップ萌えを狙っての企画なのかと思っていたら、しっかり揺れる女心を描いていて少女漫画のような展開。なるほど。それに、博徒の世界に足を踏み入れて、どんどん覚醒して凛としていくところもいいね。

藤竜也さんもかっこいいけど、高橋英樹さんが男前すぎる。高橋英樹さんのお勧め映画ランキングで上位なのも納得。着物の片袖を脱いで入れ墨を見せながら壺を振るクールビューティな梶芽衣子さんも素敵。

東映の任侠映画に比べて、おとなしめかなあって思っていたら、ラストは怒涛の血で血を洗う争いに発展して見応え十分。青春歌謡映画だけじゃないってところを見せつけた日活の任侠映画だね。

視聴メモ:2024.03.18/033/楽天チャンネル
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