バナバナ

ダウト 〜あるカトリック学校で〜のバナバナのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

舞台劇の映画化だそうだけど、エンドロールで、この中に出てきた若いシスターに捧ぐ…と書いていたので、このシスターさんから聞いた本当にあった話を基に作られたのかも。

最初に、中道の若いシスターが疑念を持った肝心の箇所の映像は見せていない。
これによって、人気のある革新的な神父さんより、校長先生の疑いの方が正しいかも…と思わせる。
しかし、メリル・ストリープの校長先生って、自分の力(権力)を誇示したいだけにしか見えなかった。キリスト教のシスターだけど、あれじゃあ、タリバンと変わらんような…。

ドナルド少年の母親は、肝座っていた。
「なぜ言い切れるの?」
「証拠が無いなら、事実無根では?」
「あなたは世間を知らないのよ」
「好きにさせればいい」
当事者の少年の母親なのに、すごく冷静。

時はケネディ暗殺が起こった1963年。
黒人がカトリックの私立学校を卒業すれば、大学へ行く道が開ける。
父親から守る為にも、清濁合わせ飲もうとしている母親の気持ちも分る部分もあるし、
一方、校長はPTAを動かして、癪に障る神父を追い落とすための手段に利用しようとしているだけの様にも見えるところがミソ。

神父さんも、校長が思ってる通りのことをしたのかはハッキリしないままだ。
気質的には〇〇かもしれないけど、それだけ他人の気持ちを汲み取りやすい人、というだけなのかもしれないし、1963年じゃ、一度レッテルがついたら大変だから、転々としていただけかもしれないし…。

ただ、教会の中じゃ、やっぱりシスターより男性神父の方が上、ということは分かった。
そういうのも気に食わなかったんだろうな、この校長先生は。

嘘つきを探せ…って事なんですが、核になる部分が有り得なさ過ぎるので「うーん、ウマイ!」とは全く思えませんでした。
元々真面目だった人が、何かのきっかけがあって変遷した、
とかでもないので、こういう仕込みをする詐欺が現実感がなく、
ダメでした。
バナバナ

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