舞台劇を映画化したというのはすぐに分かる。
ロケを必要としないし、セットで済んでしまうから。
その代わり役者にかかる負担は限りなく大きいが、相応しい役者陣を揃えきっている。
カトリック学校で厳格で閉鎖的なシスターと、開放的で大らかな神父。
水と油のような関係ながらも、神父に疑いがもたれたことで一気に弾ける。
何をしたのか。この限りなく灰色な出来事を巡り、押し問答が続く。
まるでホラー映画のような迫力を生んでおり、やり取りに圧倒されてしまう。
メリル・ストリープにフィリップ・シーモア・ホフマンの激しいやり取り。
息子への愛に揺れるヴィオラ・デイビスと、信仰心への疑いに揺れるエイミー・アダムスも印象に残る。
このように物語ではなく役者を見る映画である。
スッキリしたものを求めている人には向かない作品。