あちぴろ

幸福の黄色いハンカチのあちぴろのレビュー・感想・評価

幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)
4.2
あまりにも有名すぎるラストシーンなので、観たつもりな人多いんじゃないかしら。
自分もその一人。


先日、たまたま土曜の夜の番組に出ていた武田鉄矢がこの作品の裏話を話していたのを覚えてた。

今日、妻と入ったハンバーグの専門店。
お爺さんとお婆さんが経営してるんだけど、年内で営業を終了するとか。諸般の事情ってなんだろ。

さて、そんなハンバーグ屋さんで、BSテレ東?で放送していた本作を夫婦でガン見してしまう。「そういえばこないだ武田鉄矢が話してたよね」と妻。おぉ、覚えてた?オレも思っててん。
と。
食事しながら観てたんだけど、最後まで観る訳にもいかず。
帰宅後、途中から観て最後まで観終わり、観てなかったシーンまで頭から観るという、シネコン前の映画館の様な見方をする。
(昔って映画の途中から入って次の上映をそのシーン、もしくは最後まで観るという様なことが出来たのです)


網走刑務所で刑期を終えた高倉健演じる島優作と、失恋のショックから仕事を辞め退職金で買った新車(マツダファミリア)で東京から北海道まで来た花田欽也、同じく東京から失恋のショックで北海道まで来た小川朱美(桃井かおり)の3人。ナンパした欽也の車に乗る朱美、たまたま訪れた海岸で居合わせた優さんを乗せて、北海道を縦断しながら、優さんが語る過去の話、彼が元妻に送った手紙の内容を確認しに夕張を目指す。
「もし、まだ一人でいて受け入れてくれるなら、黄色いハンカチを掲げてくれ」


このラストシーンだけは何十回と観ただろう。
でも、彼らがどんな関係性だったのか、なぜそんな展開になったのかなど全く知らなかった。

1977年の映画なので、映像や車、衣装の古さがとても良い。携帯もなければおそらく妊娠検査薬、カーナビ、なんならオートマの車すらもない時代。炭鉱夫など今では聞かなくなった(まだあるのかな?その職業)職業など時代を感じる。

倍賞千恵子が美しいし、桃井かおりもなんだか色っぽい。高倉健は高倉健らしいし、武田鉄矢は駆け出し感がある。寅さんもとい、渥美清も出てたり、たこ八郎まで出てた。
みんな若くてザ昭和な名作を観る機会をくれたハンバーグ屋さんの老夫婦にある意味感謝する。
この映画をどこかで見掛けたら、年内で閉業するハンバーグ屋さんを思い出したりするんだろうか。

この映画の功労者は高倉健ではなく、武田鉄矢と桃井かおりだと思う。あんま話さない高倉健の演技がさほど良いとは思えなかったが、武田鉄矢と桃井かおりの演技は笑わせてくれていい演技だったと思う。
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