ゴン吉

幸福の黄色いハンカチのゴン吉のレビュー・感想・評価

幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)
4.2
刑期を終えて出所したばかりの男と旅先で偶然知り合った若い男女の三人が繰り広げるロードムービー・ヒューマンドラマ。

山田洋次監督が脚本も手掛ける。高倉健が主演、武田鉄矢、桃井かおり、倍賞千恵子らが共演。

失恋した花田鉄也(武田鉄矢)は、退職金で新車の赤いファミリアを買い、北海道へ一人旅に出る。
網走の食堂で鉄也は一人旅をしていた朱美(桃井かおり)をナンパし、その後、2人が立ち寄った海岸で、食堂で一緒だった島勇作(高倉健)と偶然再会する。
三人は一緒に旅をすることになるのだが、勇作には秘密があり、さらに愛する妻(倍賞千恵子)に対して一方的に離婚届を渡して別れたという。
果たして勇作の過去に何があったのか……

高倉健らしい朴訥で不器用な勇作。
草野球のキャッチャーとかけて”ミットもない”とダジャレを言う高倉健が味わい深い。終盤では”鯉のぼり”を”恋のぼり”にかけているのでしょうか。
そんな高倉健が、チャラい武田鉄矢と地味な桃井かおりと出会い、三人道中が繰り広げられる。
山田監督の「男はつらいよ」シリーズで主人公の寅さんの妹役を演じた倍賞千恵子がヒロインを演じ、シリーズレギュラーの寅さん役の渥美清やタコ社長役の太宰久雄も出演しているのが心憎い。
逆に本作品で共演した桃井かおりは「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」で北海道を舞台にマドンナを演じ、武田鉄矢も「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」でゲストキャラを演じることに。
当時流行ったアイドル歌手のキャンデーズやピンクレディーを小ネタに挟んでおり懐かしく、イルカが歌う当時流行った”なごり雪”が旅愁を誘う。
北海道の名所である網走、小清水原生花園、美幌峠、摩周湖、阿寒湖、陸別駅、大雪山を巡り、一路、夕張へ。
黄色いタンポポと道路の黄色いセンターラインがクライマックスに向けて続きます。
ラストは涙が止まりません。 

2022.10 BSテレ東で鑑賞(デジタルリマスター版)  
第1回 日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞、優秀主演女優賞、優秀音楽賞を受賞(1978年)
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