Habby中野

クッキー・フォーチュンのHabby中野のレビュー・感想・評価

クッキー・フォーチュン(1999年製作の映画)
3.5
長閑な話だと思い過ごしてしまいそうなほどの長閑さの中で、死への階段を上るクッキーの天使のような美しさと、それに反射したかのようなその後の物語の屈折はあまりにも心苦しい皮肉だった。
本人がどんな死に方をしても、それを形づけるのが他者だということ。そこには急激に結び付けられる血縁関係もむしろ意味をなさず釣り餌のように放り投げられたままおわってしまう。生き残った人間の嘘やほんとが真実でありえることなどありえないのではないかと自分の感覚の中の生や死を少しだけ軽く疑った。
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