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ハウルの動く城のhoshのレビュー・感想・評価

ハウルの動く城(2004年製作の映画)
4.3
金曜ロードショーにて鑑賞。「心って重いのね」これも何度観たか分からない。好きです。

ハウルは力を持つけれど臆病。ソフィーは自らを醜いと思い込んでいる。2人とも他者に必要とされていない、自分は脆いのだという呪いを自らにかけている状態。これを恋をきっかけに解消していく様が素晴らしい。

ハウルもソフィーも普段は所在なさげだけど、互いの話をしている時は若返るし、目が輝く。ありのままの好きという気持ちをを表現している姿が1番美しいという描き方。自分の気持ちに素直になること、ありのままの自分でいることが呪いを解くカギであり、それでこそ人生は豊かになるということでは。

ただ、好きを表現することは難しいので作中2人は何度もすれ違い傷つく。でもだからこそ呪いから解き放たれたラストのキスシーンはとても尊いものに映る。素直な2人だけの愛がそこにあるからだと思う。

荒れ地の魔女も老いた姿、マルクルも変装をやめた幼い姿の方が魅力的に映るんですよね。ここにも着飾らず、ありのままの自分が良い、それを受けいれるのが大切だ。という精神が生きている。「人生はメリーゴーランド」

2004年の段階で男性のメンタルヘルス、擬似家族、自己肯定感の重要性という10年代以降多く語られていくテーマに踏み込んでいるのも興味深いし、今後さらに評価される作品ではないかな。
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