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ハウルの動く城のmalのレビュー・感想・評価

ハウルの動く城(2004年製作の映画)
5.0
ストーリーがあまり理解できなかったので2回見ました。しかし、やはりあまり理解できず。 でも好きだな、この映画!音楽・美術・キャラクターがすごく魅力的。最初のオープニングがすごく好き! 一瞬で世界に引き込まれるあの風景と音楽。正直声優やっているキムタク目的で見始めましたが、最初からグッとさせられましたね。そして登場人物みんな好き!サリマン先生ですら最後の「この浮気者」のところで、きましたよ。

いつも通りのボーイミーツガールではあるけど、なかなかトリッキーな展開。あの人がこういう感じになるのかと!しかも要介護な感じに!老いとは 何かを考えさせられますね。60、70代でもう限界な方もいるし、90歳超えでも畑仕事がんがんやる人もいますし、ただ年齢だけで人を判断するのはあまりに安易というのは多くの人は知っているでしょう。呪いのかかる前のソフィーはあまり活発な方ではなく、可能性や将来を自分で限定させていたのに対し、老人になってからは 積極性とバイタリティーに溢れ、チャーミングさも増している。対する、あの人は老けてからは本当にThe老人という感じ。老いとは年齢や肉体的劣化のことではなく心の持ちようなんだなと。現在進行系の恋や青春があれば人は老けないのでは…?言い方わるいですが老いらくの恋、上等!!!

世界設定や人物背景は映画を見ただけじゃ多分わからないでしょう。よく言われている、ソフィーが若返ったり老けたりする理由は結局のところ語られませんし。ハウルが食事を取らない理由、サリバン先生が見た目が同じような少年を侍らせていているわけ、、ヒンの役割とかも。 なんならラストの展開もよくわかりませんでしたし、細かいところを言えば物語序盤にソフィーが家を出てどこを目指していたのか、終盤にカルシファーを城から出してから再建の意味とかも「???」ともなってました。(これは作品が悪いのではなくてこちらの理解力の話)
奥行きのある映画といえば確かに。観客にとって不親切であるけどわかることが面白いかと言われるとそうでもないし。でももうちょっと説明があってもいいのかも。しらんけど。

ハウルの儚げな魅力はすごい!守りたくなってしまう。母性本能がくすぐられる。ジブリ作品にそれほど思い入れがない自分が言うのもなんですが、ジブリ作品では異例のキャラクターじゃないですかね?『千と千尋の神隠し』の千尋みたいな例外はいるにしろ、ジブリキャラって基本的に成長しないというか、完成された人物ばかりが多いので。だからキャラクターにとっつきづらさがあると感じていましたが、ハウルは…アンタって子は…!これは沼るでぇ…!まぁ冷めた目で観るとハウルにとってソフィーはまあまあ都合のいい女ですね。

宮崎アニメでありがちではあるんですが主人公2人がなぜ惹かれ合うのかは、ぼんやりとした感じ。 理由や説明はつくんですが強烈な感じでもないし、いつも通り、なんとなく予定調和的にくっつきますよね。そこ自体にドラマはない。その割には2人の愛情が物語、というか2人の行動の原動力になっていることも多くて、そのちぐはぐさや説得力のなさが相変わらずちょっと苦手でした。
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