浅野公喜

ハロウィン1988・地獄のロック&ローラーの浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.7
いじめられっ子の少年が死んだロックスターの力を借りて仕返しする学園コメディホラー。監督は「アメリカン・グラフィティ」のメガネ青年テリー役で知られるチャールズ・マーティン・スミスでハードロック(メタル)界の大御所のキッスのジーン・シモンズ、オジー・オズボーンもチョイ役で出演。

未遂に終わるもいじめっ子が旋盤に挟まれる、謎のヘッドフォンの魔力で連れの女が服を脱ぎ唐突に魔物が登場、車が勝手に暴走してトレーラーの下に突っ込んでオープンカー状態、ハードロック反対派のおばさんをテレビから引っ張り出して燃えカスに変える等とケレン味溢れるシーンが続きハロウィンパーティーでロックスターが蘇ると更にヒートアップ。「キャリー」程派手ではないものの大暴れの後は家の壁を突き破って登場&水が弱点なのかトイレの便器に手を突っ込んで苦しんだり80s特有の電流エフェクト含めホラー要素薄目ですが楽しめる内容になってます(一つ一つのシーンが少し長い&BGMが少ないからかやや冗長な印象も有りましたが)。

ジーンはラジオ局のDJ、オジーはハードロック反対派の牧師を演じており後者に関しては出落ち状態。過激な歌詞への論争と批判、レコードを逆回転するとメッセージが再生される点はそれぞれ80年代中盤のティッパー・ゴア中心のPMRCと85年に起きたジューダス・プリーストの曲を聴いて自殺した少年の事件(今作より後ですが90年に彼の両親が自殺を促すサブリミナルメッセージが入っていたとバンドを訴訟)辺りがモチーフになっているのかも。

モーターヘッドのメンバーが結成したファストウェイの曲が劇中で多く使われ(ロバート・プラント風の声が格好良い)、主人公の部屋にもオジーは勿論アンスラックスやツイステッド・シスターのポスターが。
浅野公喜

浅野公喜