LEONkei

サンドイッチの年のLEONkeiのレビュー・感想・評価

サンドイッチの年(1988年製作の映画)
3.5
躓いたり転んだり壁に押し潰されそうになった時、例えそれが比喩を使った有り触れた文句だとしても、ココロがスーッと軽くなるような言葉が実際には有る。


良い映画は何を言っても陳腐なものになってしまうので、この映画の名セリフを。

ネタバレと言う次元のものではなく、例えこの映画を観なくとも人生とはこんなものだと言う一節。



『陽がまた昇る限り、いい日も来る。
今年のような年は、ハムの薄切れのようなものだ。
2枚の厚いパンの間にはさまって、つまり…サンドイッチの年だ。
そういう時はよく噛みしめなきゃならん。
カラシが一杯で涙が出ても、全部食べなきゃならんのだ。
全部だ、いいな。』



記憶に残る名セリフは星の数ほど有り誰もが知る名セリフも有れば、無名な映画でも琴線に触れる自分だけの名セリフも有るだろう。

その全てのセリフは単なる映画の中だけの言葉ではなく、人生と重ね合わせるからこそ名セリフになる。

その時々の精神状態や境遇、現在の環境状況や年齢、過去の生い立ち将来への思い…。



長く生き残り人生も僅かな老いる自分にとっての存在理由は、ココロがスーッと軽くなる言葉を投げ掛ける側にならなくてはならない。



少年〝ヴィクトール〟が働くガラクタ屋の初老の主人を演じるのは、アンジェイ・ワイダ作品には欠かせない〝ヴォイチェフ・プショニャック〟。

素晴らしいのひと言に尽きる..★,
LEONkei

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