海

サンドイッチの年の海のレビュー・感想・評価

サンドイッチの年(1988年製作の映画)
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ひとが、花束みたいに犬や猫を抱えているところを見ると、途端に泣き出したくなる。わたしたちが、愛するひとに悲しいことなんてありませんようにと願うとき、心の中で神さまになる。悲しいだけが欠けていて、やさしいも温かいもある世界では、神さまだけが悲しいんだ。とても簡潔に、この映画を話すなら、犬を殺せる少年と犬を殺せない少年が友達として出会う物語だった。VHSのパッケージには「心が死にかけた時に味わってほしい」と書かれているらしかった。誰かの物語にふれるたびに、つぎの夜はもっと濃密になる。そのことを、思い出したよ。
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