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若親分あばれ飛車のmitakosamaのレビュー・感想・評価

若親分あばれ飛車(1966年製作の映画)
3.3
スカパーにて。若親分シリーズ5作目。
「あばれ飛車」のタイトルだが、由来はラストの大立ち回りで飛車の柄の着流しを着ているだけ。おそらく実直で曲がった事を嫌う南條武(雷蔵)の性格を、真っ直ぐにしか進まない飛車に例えてるのだと思うが。
だったらもう少し、それをに匂わす演出がもっとあっても良かったのに。将棋を指すシーンがあったり、「まったくお前さんは真っ直ぐだねぇ」ってセリフでもあれば前振りになるのにな。

物語は旅に出ていた南條が元の町に帰ってくる所から始まる。1作目で二代目南條組を継いだ場所ですな。
南條組は無くなっているので北門組なる新興のヤクザが幅を利かせていて、工事の不正入札疑惑に海軍の機密漏えい。
そこで元海軍士官の渡世人、南條の出番ですわ。お膳立てが出来過ぎです(笑)

かつて斬った渡世人の娘が芸者になっていて、それが瑳峨三智子。
渡世人同士の切り合いだから南條を恨むなと言った父の遺言を守る娘。
これは巧いキャラ設定ですなー。渡世人の仁義を説明し、父もヤクザである南條のキャラとも表裏一体になる。

海軍も南條に頼る者も居れば、南條の協力を拒む者も居る。どちらの組織も一筋縄でないのはおもしろいね。
キャラが分散しているのにちゃんと1時間半で脚本が纏まってるのは素晴らしい。

単身乗り込む南條に対して思わず「いい度胸だなぁ〜」と感心しちゃい殴られる下っ端に思わず笑っちゃいました。
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