KaNa

こぼれる月のKaNaのネタバレレビュー・内容・結末

こぼれる月(2002年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

「なんでこんなことしてるんだろう、わかんないんだよ」

全体を通して分からないがテーマになっていて様々な精神障害が実は
身近にあり、本人たちもその理由が分からない、
全員が「なおりますか?」と聞いているのからも感じたけど

最初は各々の症状を示しているけど、原因がフラッシュバックすることで
各人がトラウマに感じていたりすることが伝わって、よりその人のやるせないどうにもできない感情が感じ取れた

幼少期の父の失踪からすべてのものが偽物に見えてしまうチヅル
パニック障害、家庭の寄り添い方の難しさ

虚言癖のユタカ
一番身近に感じたしこういう人いるよなと思った
きっと出会い系でも出会ったりすることはないんだろうけど
ひたすら嘘を言って見栄を張って、自分へのコンプレックスなんだろうな
虚言癖の人の特徴構ってちゃんなのも感じたしコンプレックスがあるからこそ自分より劣るパニック障害のチヅルに固執し承認欲求を満たそうとする、プライドが高いからこそ否定されたくない、だから自分より劣ると判断したチヅルを選んだのかなと
実際この二人が出会うのはヤバ状況すぎてウケた

強迫行為症の高ちゃん
一番サイコパスを感じた
ありえないぐらい手を洗ってるのは恋人の首を絞めてしまったからなのかな、自分の手が汚れているように感じて仕方なかったんだろうな、という考察、ただ、性行為に執着しているのかなとも思ってしまった
AVを見たり、それも反復行為だから心が落ち着くのかな
「違うんだよ」
とは言ってるからそれは違う気もした、とにかく自分の手が汚れているように感じて仕方ないんだろうな
シミを落とす反復行為に対しても違うって言ってるし潔癖症ではなく
ただ不合理な概念に強迫観念を感じることもあるらしいので本当に首を絞めていたのかはわからないな

彼女は心的外傷後ストレス障害という感じでレイプの記憶から引き起こされる発作、一人が怖い、一人で同じことが起こるのが怖いという強い気持ちを感じた

全員が孤独でそれでも寄り添って生きていこうとする明るい終わり方だったけどユタカだけはどうしようもならなそうだなと思ってウケた

こぼれおちる水が自分に対する怒りや苦しみを表しているようで
全ての人の症状が落ち着けばいいな、と他人事だが思った
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