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13歳の夏に僕は生まれたのleylaのレビュー・感想・評価

13歳の夏に僕は生まれた(2005年製作の映画)
3.8
移民問題をテーマにした社会派ですが、少年の成長ドラマとしてもよかったです。

イタリアに住む裕福な家庭の少年サンドロは、クルージングの途中で海に転落し、密航船に乗っていた少年ラドゥに助けてもらう。そこで不法移民たちの存在を知ったことでサンドロの人生観はガラッと変わってしまう…

生まれた環境が違うというだけで、サンドロとラドゥの絶対的な隔たりは埋まらないのが悲しい。

「誰も信じるな」と言っていたラドゥの言葉が後で思い返され、複雑な気持ちになった。ラストは切ないけどいい終わり方。

「生まれたからには、隠れることはできない」という言葉がキーワードだったけど、なんて残酷な言葉だろう。生まれる国や親は自分では選べない。生まれながらに苦難の道しかない人たちが世界にはどれだけいることか。

少年の目線で捉えた移民問題。移民たちが具体的にどう扱われているのかを知れただけでも無知の私には意義のある作品だった。
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