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栄光の野郎どものHKのレビュー・感想・評価

栄光の野郎ども(1965年製作の映画)
3.7
サム・ペキンパー監督が製作サイドと揉めて干されるもととなった『ダンディー少佐』と同年に公開された作品ですが、こちらではペキンパーは脚本のみ(原作があるから脚色?)。
しかし『ダンディー~』と同じく騎兵隊ものでキャストもセンタ・バーガー、スリム・ピケンズ、マイケル・アンダーソン・ジュニアなどが被っておりまるで姉妹編(?)。

1人の女性をめぐって争う2人の野郎の話から始まるものの、ストーリーの大きな流れは有名なカスター将軍と第七騎兵隊が全滅した“リトルビッグホーンの戦い”がモチーフになっています(呼称は全て変えてありますが)

新兵の訓練風景やインディアンとの戦闘などディテールにこだわりが感じられクライマックスの戦闘シーンも大掛かりでかなりの迫力。

美女S・バーガーと三角関係の男2人は主人公のハロッド大尉(トマス・トライオン)と元斥候のソル(ハーブ・プレスネル)。
このT・トライオンという人、60年代は二枚目俳優としてTVや映画でそこそこ活躍してましたが70年代には作家に転身して成功した変わり種。
なんと『悪を呼ぶ少年』『悪魔の収穫祭』などの名作ホラー小説の作者です(後者はアリ・アスターの『ミッドサマー』にも多大な影響?)。
さらにあの『ジョミーは戦場に行った』のエグゼクティブ・プロデューサー(ノン・クレジット)も務めたというからホント不思議な人です。

H・プレスネルはよく知りませんが、雰囲気がちょっとペキンパーとは縁があるジェームズ・コバーン似。
なかなか目立っているジェームス・カーンは本作でまだデビュー2作目。『ゴッドファーザー』はこの7年後でペキンパーと再度『キラー・エリート』で組むのは10年後です。

監督のアーノルド・ラバンはTV『ライフルマン』でペキンパーと同じく監督をしていた盟友とか。
音楽は『世界残酷物語』や『怒りの荒野』のリズ・オルトラーニ。
勝手な指揮官のせいで隊全体が悲劇に向かう様子も描いておりなかなかの力作でした。
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