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宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-のmitakosamaのレビュー・感想・評価

宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-(2009年製作の映画)
3.3
見たかったやつ!やっと見れたわ。あまり評判の良く無いことは知ってたので期待は程々に見たが、なかなかどーして。面白いじゃん。
というか押井のウンチクが楽しめるかどうか、その資質によるね。

押井の脚本に、西久保が監督、黄瀬和哉が作監というIGの磐石の布陣に、キャラデザが中澤一登。西尾鉄也ら原画にもいる豪華さ。
リアルなアニメパートとして、いわゆる世間一般のイメージする武蔵を表現する。
宍戸梅軒・吉岡一門・佐々木小次郎との戦いがカッコいいアニメで表現される。

対して、安3DCGで教育テレビ風に解説されるのがこの映画の本筋。ココでは世間のイメージと違う武蔵像のウンチクが垂れ流される。

先ず日本の武士の定義について、西洋の騎士と中国の兵馬俑と比較して紹介してる。色々ナルホド。

そして武蔵は一人の剣豪として強くなることより、合戦で指揮をとり論理的に勝つことを目的としていたという。これも世のイメージと反するね。

更に大日本帝国は当初刀の有用性を否定していたが、日露戦争時にロシア兵に白兵戦で痛い目を見て、再び日本の古流武術に注目したそう。
その時に武蔵の目指したロジカルな兵法術は、精神論としての武士道に変換されたとの事。ナルホドナルホド。

ウンチクの内容は面白いが、見せ方は上手いとは思えないな。正直言ってミニパトのペープサート風アニメの方が見やすかったり。

そしてリアリスティックなアニメを作るなら、それで全編見たかったの事実。押井解釈による武蔵像をちゃんと映画にして欲しかったな。

井上雄彦が今スラダンを自らアニメ映画化しているが、その後にバガボンドをアニメ映画化してくれないかな?
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