このレビューはネタバレを含みます
必ず白いヒールの靴に履きかえて歩く彼女が、ミナが死んだ後、こつ、こつ、こつ、こつと足を踏み鳴らすシーン、そのあと脱ぎ捨てて素足でも。わたしはここにいるよね、いるよ、と確かめるように鳴らしていて、顔は泣きそうにゆがんでいて、目を奪われた。
銃を構えた兵士と英語で話すと、彼はフランスから来た人だとわかる。フランスの大統領が誰なのか知ることができる。これは彼女が英語を学んだからで、詩人のお友達も英語を話せたから。言葉を交わし合える素朴な喜びがひたひたと伝わってとってもとっても良かった。
わたしは大統領になろうなんて思ったこともない、、。「自分のことは自分で決める」とはっきりと言った、私よりはるかに若くて大統領を目指すミナが亡くなり、それでも皆「そうなんだ」と受け入れるしかない現状が...。
ブルカをつけたり外したり、今のマスクのようにもちょっと思えた。自分自身もつけたい、つけたくない、色々あって、だれか(男)の前だと必要。でもマスクはある程度選べるけど、ブルカは選べない。
学校では「女性は子育てと家事だけではいけない」と教わるけど、一歩外に出れば世の中は「女が顔をさらすのは罪」という世界。レベルはかなり違うけど、日本もある種同じやなと思う。
変えるには辛抱強く、機を見て。
それまでみんな、鍛えながら、いたわりながら、生き延びたいし元気でいたい。