土の中からこんにちは太郎さん

少年の土の中からこんにちは太郎さんのレビュー・感想・評価

少年(1969年製作の映画)
3.0
価値観・倫理観の違いに時の流れによる変遷ってすげーなーと思った。

Wikipediaの"自動車の前に飛び出してわざと車にぶつかり、法外な治療費や示談金を取る当たり屋犯罪自体は当時既に珍しいことではなくなっていたが、"という一文にびっくり。
当たり屋ってワードを耳にする事すらもう無い現代とは、もうここからして違う。

主演の男の子が良い。
セリフ読みはいまいちだけど、それを補って余りあるほど目の演技がすごく良い。
年齢相応のあどけない目付きをしたかと思えば、他人の気配を察知した瞬間、窺うような目付きになる。
鑑賞後にWikipediaを読んで、孤児院から引っ張ってきてキャスティングした素人と知る。
なるほどなー。
こういうキャスティングも、現代では「不謹慎」以前の問題で無理だもんな。

21世紀を迎えて久しい現代の視点からすると、道路の作りがざっくばらんとしているやら欧米ナイズが浸透していない日本の家屋が目立つ街並みも陰鬱としたこの作品の雰囲気を醸し出す材料になっている。