牛丼狂

ベトナムから遠く離れての牛丼狂のレビュー・感想・評価

ベトナムから遠く離れて(1967年製作の映画)
4.0
アメリカを批判的にみたフランス映画監督らのベトナム戦争に関するドキュメンタリー映画。
アメリカ軍の大金かけた毎日の空爆を、お手製の防空壕で耐えしのぶという戦線の様子のみならず、芝居パート、自分語りパート、報道、アメリカでのデモなどといくつかのパートに分け、ベトナム戦争を多角的に描かれている。アメリカ批判は一貫されている。ベトナムというのを単なるベトナムではなく、崇高な精神のように抽象化するにまでいたる。
個人的には焼身自殺したアメリカ夫をもつ妻と、その事件を語るベトナム女性のパートの、離れているけれど精神的に通じ合っている女性らのパートが印象深い。おそらくヴァルダ監督パートだろう。
また、アメリカのデモで「ナパーム、ノー」と連呼している独特の男性から悲痛さが伝わりこちらも印象深い。
よくこんな至近距離で撮影できたなと思うドキュメンタリーとしての素晴らしい映像の数々と、構成や編集の妙に、圧倒された。ナレーション(というよりモノローグに近い)が多用されるので、少なくとも英語がリスニングできればもっと味わえたと思うと惜しい。
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